おもしろいが、おもしろい!

~知のリバースエンジニアリングのすすめ~

知のリバースエンジニアリングをやってみよう!その2

前回は、「桃太郎」を分析してみましたが、今回はお姫様が主人公の3つの話を分析してみます。題材は、次の3つです。

  • 白雪姫
  • シンデレラ
  • 眠れる森の美女

ディズニー映画で見られた方も多いのではないでしょうか。

念のため、あらすじです。(いろいろな版がありますが、ディズニー映画を
ベースにしています。)

【白雪姫】

1. 白雪姫を産んだ後お后がなくなり、王様が再婚。その後王様も他界。

 お后(継母)は、白雪姫が成長するにつれて増していくその美しさを妬む。

2. 猟師に殺害を命令。

3. 猟師に見逃してもらった白雪姫は森をさまよい、7人の小人たちと出会い、

 助けてもらう。

4. 白雪姫が生きていることを知った継母は、老婆に姿を変え7人の小人の家に

 いき、毒リンゴを白雪姫に食べさせます。白雪姫は息が止まります。

 白雪姫の身に起こったことを察知した7人の小人は継母を追い詰め、白雪姫の

 かたきをとります。

5. 7人の小人は、死んだ白雪姫をガラスの棺におさめ悲しんでいると

 王子が訪れ、白雪姫の美しさに惹かれキスをします。その時、毒リンゴが

 のどから飛び出し白雪姫は生き返ります。

6. その後は、白雪姫は王子様と結婚し幸せに暮らしました。

 

【シンデレラ】

1. シンデレラは、裕福な一家に生まれたが、早くに母親が亡くなり、父親が再婚。

 その後に父親も他界。

 継母とその連れ子の姉がシンデレラに辛く当たり召使のように扱う。

2. 王子様の結婚相手を選ぶ舞踏会が催されシンデレラも行きたいと願うが

 せっかくのドレスが姉たちに破かれてしまう。

3. 父との思い出の噴水で泣いていると妖精の老婆が現れ、魔法で、

 ドレス、馬車、御者を出してもらう。シンデレラは舞踏会に行く。

 継母が姉を王子に紹介しようとするが、その時現れたシンデレラの

 美しさが王子の心を射止める。夜の12時に魔法が解けるため、シンデレラは、

 宮殿を逃げ出したが、ガラスの靴を片方落としてしまう。

4. 王子は、この靴を手掛かりにシンデレラを探しに来るが、継母がシンデレラを

 王子と会えないように部屋に閉じ込める。動物たちがシンデレラを部屋から逃がす。

 王子たちが持ってきたガラスの靴は継母に壊されてしまう。

5. シンデレラが持っていたもう一方の靴によりシンデレラが王子が舞踏会で

 出会った娘であることが判明。

6. シンデレラは、王子と結婚し、幸せに暮らしました。

 

【眠れる森の美女】

1. ある国に待望の王女が誕生。

 国をあげてのお祝いの席で妖精から王女に贈り物が与えられるが、

 招かれなかった魔女が怒る。

2. 魔女が王女に16歳の誕生日に糸車で指を刺して

 死ぬ呪いをかける。まだ、贈り物をしていなかった妖精が、

 死ぬのでなく眠るだけに呪いの力を弱める。

3. 魔女の呪いから守るため3人の妖精が王女を森の小屋で育てる。

 16歳の誕生日の前日に王女は、すてきな王子と出会う。

4. 王女の居場所を突き止めた魔女により、呪いは成就し、王女は眠りにつく。

 城にいる人々も全員眠りにつく。呪いを解くカギが王子であることを

 気付いた魔女が王子を閉じ込める。妖精が王子に魔法の剣と盾を与え、

 王子は魔女と戦い倒す。

5. 王子が眠っている王女にキスをすると魔法が解け、王女は目をさます。

6. 王女は、王子と結婚し、その後は幸せに暮らしました。

 

この3つのおとぎ話は、子供の自立のプロセスを説明するプレゼンテーションと

考えて、リバースエンジニアリングしてみましょう。

 

これらのお話では、子の自立(目的)を達成するためには

  • 「親との対立(サブ目的1)」があり、
  • 「戦い(サブ目的2)」があり、
  • 最後は「勝利(サブ目的3)」することが、

必須要素となっています。

 

3つのお話は、以下の共通の構造を持っていると読み取れます。

1. 親(世代)と子(世代)の潜在的な対立の発生

 将来の決定的な対立を予感させる世代間の確執が発生します。

  • 白雪姫では、継母が白雪姫の美しさに嫉妬します
  • シンデレラでは、継母と姉に召使のように扱われます
  •   眠れる森の美女では、招かれなかった魔女が怒ります。 

2. 対立が表面化する事件が発生

  とうとう親と子の戦いが起こります。

  • 白雪姫では、継母が猟師に殺害を命令します
  • シンデレラでは、せっかくのドレスが引き裂かれてしまいます
  • 眠れる森の美女では、魔女が呪いをかけます

 

3. 子が逃避し仲間と出会う

 親との戦いに負け、子は敗走し身を隠します。そして、助けてくれる

 仲間と出会います。

  • 白雪姫では、7人の小人の家に身を隠します
  • シンデレラでは、 父との思い出の噴水で妖精の老婆と出会います
  • 眠れる森の美女では、3人の妖精が王女を森の小屋で育てます

4. 再び親世代と子世代(仲間と共に)が戦い、子は親は倒すが子も大きな痛手をうける

  再び戦いが起こりますが、今回は子は仲間と力を合わせ親と戦います。

  親を倒すことはできますが、子も大きな痛手を受けます。

  • 白雪姫では、小人たちが魔女を倒しますが白雪姫が毒リンゴで息が止まってしまいます
  • シンデレラでは、動物たちが閉じ込められていたシンデレラを救いますが、継母にガラスの靴は壊されてしまいます
  • 眠れる森の美女では、妖精の力を借りた王子が魔女を倒しますが、王女は呪いのため眠ってしまいます

5. 子が受けた痛手をいやす奇跡が起こる

 状況を一変させる奇跡が子を救います

  • 白雪姫では、王子のキスで毒リンゴがのどから飛び出します
  • シンデレラでは、もう片方のガラスの靴がシンデレラが舞踏会の娘であることを証明します
  • 眠れる森の美女では、王子のキスで王女は目を覚まします。

6. 子は自立

 親から自立し新しい世界に子が旅立ちます

  • 3人とも王子と結婚し、その後は幸せに暮らします

 

このように見てみると、3つの物語がどのように作られているか

がはっきりとわかります。

 

この構造を活用すると、必要な材料を集めることで、

オリジナルの「子の自立」の物語を作成することが可能となります。

 

同じようにできる人のアウトプットを分析してみては如何でしょうか。

真似でない